「街なかの低未利用地の実態調査・検討業務」を取りまとめました。
まちなかに「駐車場」が目立つようになりました。
移動にクルマを利用する機会は多く、まちなかの駐車場は「街とヒトをつなぐ大切な連節点」となる大切な役割があります。
その一方で、街の連続性や活気が薄れてしまう一面も指摘されています。 <参考>国土交通省 駐車場政策のあり方検討会 資料より(抄)
今年度、㈱まちづくり熊谷では、熊谷市・熊谷商工会議所の支援を受け、まちなかの駐車場等の実態調査とともに
過去の航空写真を用いて経年変化の調査に取組み、まちなかのまちづくりを考えています。
■ 調査の流れ
調査の範囲は、まちなかの「大字11地区」です。
本町1丁目、本町2丁目、星川、1丁目、星川2丁目、鎌倉町、弥生町1丁目、弥生町2丁目、筑波1丁目、筑波2丁目、筑波3丁目、桜木町1丁目
■ 調査(現況・時系列)の結果
現況調査及び時系列調査の結果は、次のとおりです。
◎ 【概要版】街なか低未利用地の実態調査・検討業務 報告書(5.17M)
◎ 【本編】街なか低未利用地の実態調査・検討業務 報告書(9.71M)
◎ ご意見、ご感想をお待ちしています。
【ご意見はこちら】
1 駐車場等の「現況」調査について
■ 現況は、区域面積の3割が駐車場等です。
2024年6月に現地で確認した平面駐車場は、317か所・3千907台分(目視)となりました。登記簿・図上計測により、駐車場等(空き地を含む)の面積は、9万5,928㎡。
区域全体の面積(道路を除く)の約3割(28.6%)が駐車場等となっています。
■ 駐車場の表層の状況
現地調査に基づき抽出された駐車場の表層別件数を見ると、全体的にアスファルト舗装が多く(186 件/317 件、58.7%)を占めています。次いで、砂利敷きの駐車場が107 件と多くなっている。
駅近くでアスファルト舗装の割合が高く、駅から遠くなると砂利敷きの割合が高くなっています。
■ 駐車場の運用形態の状況
駐車場の運用形態別の件数を見ると、全体的には月極駐車場が全体の半数以上(187 件/317 件、59.0%)を占めています。次いで、時間貸し駐車場が71 件となっています。
駅から離れた地区で月極駐車場が多くなる傾向が高く、駅に近い地区での時間貸し駐車場の割合が高くなる傾向にあります。
町丁の特徴としては、桜木町1 丁目は日貸し駐車場が多く、鉄道利用客の需要対応などが考えられます。また、筑波3 丁目では、時間貸し駐車場が最も多くなっています。
■ 駐車場の運用形態別の駐車台数
駐車場の運用形態別の駐車台数を見ると、全体で3,907 台が供給可能であり、月極駐車場が1,815 台と最も多く、次いで時間貸し駐車場が1,175 台となっています。
町丁別では、桜木町1 丁目での駐車台数が1,214 台と最も多く、鉄道利用客の需要対応もあり、日貸し・時間貸し・月極がそれぞれ相当数供給されています。次いで、駐車台数の供給が多い本町1 丁目と筑波1 丁目では、月極駐車場が多くなっています。また、本町1 丁目での業務施設などの専用駐車場などの多さが特徴的です。
■ 時間貸し駐車場の駐車料金
時間貸し駐車場の1時間当りの駐車料金は、全体的に200円/時間が多いが、駅近くの駐車場になるほど料金が高くなっており、筑波2丁目及び筑波3丁目では400円/時間の駐車場が多い。
■ 駐車場の名義・取得事由
所有者が熊谷市居住者を含む駐車場は、筑波2丁目95.2%、鎌倉町95.0%、星川2丁目87.5%、星川1丁目85.7%と多くなっています。一方、会社・法人所有を含む駐車場は、筑波3丁目51.3%、本町1丁目48.9%と他の町丁目と比較して多くなっています。
取得事由を見ると、会社・法人所有を含む駐車場の割合が多い筑波3丁目と本町1丁目とともに、弥生町2丁目、星川1丁目、星川2丁目、筑波2丁目で売買による土地取得が相続を上回っています。
2 駐車場等の時系列調査について
■ 駐車場等の面積は、過去20年間で約3割増加しています。
グーグルアース(Google Earth)の航空写真を用いて、10年前、20年前の駐車場や空き地の面積を図上計測(目視)しました。
面積の推移を見ると、この20年間で「約3割(27.0%)」の増加となっています。マンション開発の有無などにより、大字ごとに伸び率は大きく異なっています。
2024年 (6月現在) |
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2014年 (10年前) |
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2004年 (20年前) |
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3 所有者/事業者へのヒアリング
■ 熊谷商工会議所地域振興委員会の皆様をはじめ、不動産事業者、駐車場経営業者、デベロッパーの皆様にお話しを伺いました。ご協力、ありがとうございます。
4 情報収集
6 今後の取組(予定)
■ 調査結果は、熊谷市、熊谷商工会議所、熊谷市商店街連合会のほか、関係事業者の皆様に情報提供するとともに、意見交換等に活用します。
■ これまでの調査結果を踏まえて、引き続く人口減少と街・人の変化を読み解き、街の「拠点性」を維持するための施策等を検討します。皆様のご指導、ご協力をお願いします。
2025年5月14日
カテゴリー:お知らせ